Blog | 2026年7月11日
ホームページに「音声で話せるAIコンシェルジュ」を導入した方法と費用|1会話2〜3円の実録
このサイトの右下にいるチャットボットは、文字だけでなく「声」で相談できます。マイクに話しかけると、AIコンシェルジュが声で答える——これを自社サイトに実装したところ、月額固定費0円・会話1回あたり2〜3円で動いています。この記事は、その導入の実録です。「うちのホームページにも付けられる?」「いくらかかる?」という視点で、仕組み・費用・つまずきどころを正直に書きます。
なにを作ったか:話しかけると声で答える「AIコンシェルジュ」
見た目は、よくあるホームページ右下のチャットです。違うのはここからで、マイクボタンに向かって「料金っていくらですか?」と声で話しかけると、そのまま送信され、AIが声で答えます。読み上げ中はコンシェルジュの顔アイコンが口をぱくぱく動かすので、「いま喋っている」ことがひと目で分かります。
もちろん従来どおり文字で打ってもよく、音声はいつでもON/OFFできます。実物はこのページの右下で動いているので、読み終わったら試してみてください。
仕組み:3つの層でできている
専門用語が続くので、そのつど平たく言い換えます。全体は3層構成です。
- 会話の頭脳(チャットボット本体)——質問の意味を理解して答えを組み立てるAI(Google のGemini)。当社サイトの料金やサービス内容を知識として持たせてあり、知らないことは「初回相談でご確認ください」と正直に答える設定にしています。
- 声(音声合成)——文字の答えを人の声に変換する技術。いわば「原稿を読んでくれるアナウンサー」です。Gemini TTSという音声合成AIを使い、どのスマホ・パソコンでも同じ「コンシェルジュの声」になるようにしました。
- 耳(音声認識)——マイクの声を文字にする部分。これはブラウザ(ChromeやEdge)に最初から入っている無料機能を使っています。
サーバーはCloudflare Pagesという月額0円から使えるサービス上で動かしており、初期費用も月額固定費もかかっていません。かかるのはAIを呼び出した分だけの従量課金です。
費用:実測ベースで1会話2〜3円
いちばん聞かれるところなので、試算の内訳ごと公開します。音声合成の料金は「生成した音声の長さ」に比例します。
| 単位 | 音声の長さ | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 1文(40〜60字) | 4〜5秒 | 約0.2円 |
| 返答1回(3文前後) | 12〜15秒 | 約0.5〜0.7円 |
| 1会話(返答4回程度) | 約1分 | 2〜3円 |
さらに、挨拶や「よくある質問」への同じ答えは一度作った音声を使い回す(キャッシュする)仕組みにしたので、2回目以降は0円です。小規模サイトなら、音声分の実費は月に数十円〜数百円に収まる規模感です。
つまずきどころ:先に知っておくと楽な4つ
- スマホは勝手に音を出せない——ブラウザには「ユーザーが操作するまで音を鳴らさない」ルールがあります。「音声ボタンを押した人にだけ喋る」設計にすれば解決します。
- 声がブラウザごとにバラバラ問題——パソコンやスマホ内蔵の読み上げ機能は機種ごとに声が違い、ブランドの印象が安定しません。サーバー側で音声を作って配る方式にすると、全員に同じ声を届けられます。
- 音声APIをよそから勝手に使われる対策——音声を作る窓口をそのまま公開すると、外部から「無料の音声合成サービス」として乱用されかねません。自サイトからの呼び出しだけを通す門番(Originチェック)と、1回あたりの文字数上限を付けました。
- 失敗しても無音にしない——音声合成が混雑などで失敗したときは、自動でブラウザ内蔵の読み上げに切り替わる予備を用意しました。お客様側では「声のトーンが変わったな」くらいで会話は途切れません。
中小企業なら、どこで役に立つか
私たちが川崎の小さなお店や事業者の現場でよく聞く困りごとに重ねると、使いどころはこのあたりです。
- 営業時間外の一次対応——「今日は空いてますか」「駐車場はありますか」に、深夜でも声と文字で即答。電話の取りこぼしを減らせます。
- スマホの文字入力が苦手なお客様——シニア層は「打つより話す方が早い」方が多く、音声入力は問い合わせの敷居を下げます。
- よくある質問の自動化——料金・アクセス・持ち物など、毎回同じ説明をチャットボットに覚えさせれば、スタッフは本来の仕事に集中できます。
導入のコツは、いきなり完璧を目指さないことです。当社も「文字のチャットボット→音声入力→声で返す→顔アイコン」と段階的に足していきました。既にチャットボットがあるサイトなら、音声対応の追加は1日かからない規模の作業です。
まとめ:ホームページが「話せる窓口」になる
できあがってみると、音声対応の価値は技術のすごさではなく、「問い合わせのハードルが一段下がる」ことでした。文字を打つのが面倒な人、電話は気が引ける人が、話しかけるだけで疑問を解消できます。そして訪問者にとっては「この会社、AIをちゃんと使いこなしているな」という何よりの実演になります。
実物はこのページの右下で動いています。マイクボタンを押して、「料金は?」と話しかけてみてください。
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