Blog | 2026年8月4日

飲食店のネット予約、月額0円で作れる?|川崎の天ぷら店に自前の予約システムを作った話

「ネット予約を入れたい。でも月額がかかるのは困る」。小さなお店ほど、この板挟みになります。今回、川崎市多摩区の天ぷら店に、月額のかからない予約の仕組みを作って運用が始まりました。何を作り、何をあえて作らなかったかをお話しします。

飲食店のネット予約、月額0円で作れる?|川崎の天ぷら店に自前の予約システムを作った話

ネット予約は、いまや当たり前の設備です。営業中で電話に出られない時間帯でも予約が入る。お客様も、電話をかけずに済むほうが気楽です。

一方で、予約システムやグルメサイトの予約機能には月額がかかります。席数の少ないお店にとって、この固定費は軽くありません。「機能は要る。でも月額は重い」——ここが小さな飲食店の本音だと思います。

川崎市多摩区・読売ランド前駅の「天ぷらと鎌倉野菜 みやび」様では、公式サイトの上に、自前の予約の仕組みを載せて運用を始めました。仕組みはGoogleスプレッドシートとGoogle Apps Script(Googleの無料の仕組み)で、月額はかかりません

作ったもの:その場で予約が完了する

お客様はホームページ上で、来店日・時間・人数を選びます。空いている席があれば、その場で予約が完了します。予約内容は自動でお店にメールが届き、お客様にも確認メールが届きます。台帳は普通のGoogleスプレッドシートなので、お店の方がいつでも中身を見られます。

いちばん大事な設計:全部の席をネットに出さない

予約の仕組みで最も怖いのは、ネット予約と、電話やご来店のお客様がぶつかることです。席が無いのに予約を受けてしまう。これは一度でも起きると、お店の信用に直接響きます。

そこで、ネット予約に出す席を最初から絞りました。

ネット予約理由
4名卓・2名卓出す組み合わせを計算できる
カウンター席出さない当日ふらりと来られた方のために空けておく

カウンターを在庫に入れないことで、「ネットは満席だが、行ってみたら座れた」という状態を意図的に残しています。飛び込みのお客様を断らないための余白です。

4名様までは即時確定、5名様以上は店長の承認

人数によって扱いを分けています。

  • 4名様まで:空席があれば、その場で確定
  • 5名様以上:席の組み合わせが必要なため、いったんリクエストとして承り、店長が席を割り当てて確定の連絡をする

大人数の予約は、卓をつなげる・お客様の並びを考えるなど、機械に任せきれない判断が入ります。自動化できるところだけ自動化し、判断が要るところは人に戻す。ここを欲張って全部自動にすると、事故が起きます。

あわせて、ネット予約は来店の2時間前で締め切ります。それ以降は電話のみ。仕込みや席の状況が動く直前の時間帯を、機械に触らせないためです。

「当日予約を電話で鳴らしてほしい」に、応えなかった理由

運用の準備中、店長からこんな要望が出ました。「当日の予約が入ったら、店の電話を自動音声で鳴らして知らせてほしい」。揚げ場に立っている間はスマホを見られない、というもっともな理由です。

技術的には可能です。電話を自動発信できる外部サービスを使えば実現できます。ただ、実際の店内を想像したときに、こう考えました。

営業中に店の電話が鳴れば、店長はお客様からの電話だと思って出る。接客が止まり、手が止まる。それが1日に何度も起きたら、便利どころか邪魔になります。

そこで、まずは次の形で始めることにしました。

  • 予約が入ったら、店長へすぐメール
  • 毎朝10時に、その日の予約一覧をメール(0件の日も送る)
  • 前日18時に、お客様へ来店確認のメール

朝10時のまとめがあるので、開店前にその日の予定は把握できます。ネット予約は2時間前で締め切るため、そもそも「開店後に飛び込んでくる予約」は多くありません。頻度が読めないうちに、お金と手間をかけた仕組みを足さない。実際に運用して、本当に困ることが分かってから考えます。

まとめ:先に「うちに必要な機能」を決める

予約システムを選ぶとき、つい機能の多さで比べてしまいます。けれど小さなお店に本当に必要なのは、たいてい次の3つくらいです。

  • 営業時間外でも予約を受けられること
  • ダブルブッキングが起きないこと
  • 今日の予約が、朝いちばんに分かること

ここが満たせるなら、月額をかけずに作れる場合があります。逆に、大人数の宴会が中心のお店や、複数店舗をまとめて管理したいお店は、有料のサービスを使ったほうが安全です。どちらが正しいかではなく、お店の形に合っているかどうかです。

ちなみに、このお店ではメニューについても同じ考え方をとっています。メニュー表はMenuPrintでお店の方がスマホから直し、コンビニで印刷します。公式サイトのメニューはそのデータを読んでいるので、店内のメニューを新しくすればホームページも新しくなります。更新の手間を増やさないことが、続く仕組みの条件です。

なお、そもそも公式サイトを持つべきか迷っている方は、グルメサイトの月額と自社サイトの考え方もあわせてご覧ください。今回の取り組み全体は、活用事例にまとめています。

「うちの場合はどうか」を一緒に整理するところから、お手伝いできます。

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