お悩み解決 / 小売店

その店名、もう誰かが使ってる?|名前とロゴを30分で下調べする3ステップ

考えた店名を看板にも名刺にも入れて、そろそろ動き出したい。でも「あとから使えないと言われたら」と思うと、最後の一歩が踏み出せない——。専門家に頼む前に、自分でできる下調べの手順をまとめます。

こんな状態、ありませんか?

店名は半年ずっと考えて、やっと決まりました。ロゴも知り合いに描いてもらいました。ところが看板の発注直前に「その名前、商標って大丈夫なの?」と言われて手が止まっています。検索してみると、似た名前のお店が県外にありました。これはまずいのか、よくあることなのか、自分では判断がつきません。かといって、決まってもいない段階で専門家にお金を払うのもためらわれる。看板も名刺もチラシも、全部この名前で進めているので、いまさら変えるとなると痛手が大きすぎます。

こう変わります

自分の店名とロゴについて、同じ・似た登録がすでにあるかどうかを、公式の検索サイトで自分の目で確かめた状態になります。まっ白なら安心して看板を発注できますし、似たものが見つかっても「どこがどう似ているか」をメモにして持って行けるので、専門家への相談が15分で終わります。作業は30分ほど、費用はかかりません。決まってもいない段階でお金を払う、という順番を避けられます。

やり方(特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」(特許庁の登録情報を無料で検索できる公式サイト)+ 無料AI(ChatGPT / Gemini / Claude))

  1. まず、調べるべき「名前の形」を洗い出します。ここを飛ばすと、ひらがなで検索して何も出ず、実はカタカナで登録されていた、ということが起きます。無料AIに表記の揺れを出させてください。『私は小さなお店の開業を準備しています。店名の候補は「(ここに候補名)」です。この名前について、検索するときに確認すべき表記のバリエーションをすべて挙げてください。ひらがな・カタカナ・漢字・アルファベット・大文字小文字・スペースの有無・長音の有無・つづり違い・読みが同じで字が違うもの、を分けて一覧にしてください。あわせて、この名前を声に出したときの読み方(カタカナ)も書いてください。』 出てきた一覧のうち、実際にありえるものへ印を付けます。ふつうは5〜10通りに収まります。あわせて、自分の店が「何を売る店なのか」も1文で書き出しておいてください。飲食を提供するのか、物を売るのか、教室をやるのか。次の手順でこれを使います。
  2. 次に、特許庁の無料検索サイト「J-PlatPat」で実際に調べます。トップページから商標を検索する画面に入り、①で洗い出した表記を1つずつ入れて検索してください。名前そのもので検索する方法のほかに、読み方(称呼)で探す方法もあるので、字が違って読みが同じものを拾うにはそちらも試します。結果が出たら、見るのは3か所です。ひとつ目は名前がどれくらい似ているか、ふたつ目はその登録が「どんな商品・サービスに対するものか」(自分の商売と重なるか)、みっつ目はその登録が今も生きているか(すでに切れているものもあります)。名前が似ていても商売の中身が遠ければ問題にならない場合がありますし、逆に名前が少し違っても商売が同じで紛らわしければ気にしたほうがよい場合があります。判断が難しいところなので、ここでは「白・グレー・黒っぽい」の3段階に仕分けるだけで十分です。ヒットした件は、名前・登録番号・どんな商品やサービス向けかを、そのままメモにコピーしておいてください。
  3. 最後に、結果に応じた動き方を決めます。まっ白だった場合でも、検索で出てこなかった=絶対に安全、ではありません。似ているかどうかの判断には幅があり、また登録されていない名前であっても、その地域でよく知られた他店の名前と紛らわしい場合には別の問題になることがあります。ですので「自分の下調べでは見つからなかった」という記録を残したうえで、看板やロゴのように後から変えるとお金がかかるものに使う前に、専門家へ一度確認するのが安心です。グレー・黒っぽいが出た場合は、②のメモを持って相談してください。相談先としては、特許庁が案内している無料の相談窓口や、弁理士への相談があります(費用や利用条件は公式サイトで確認してください)。相談の前に、聞くことをAIで整理しておくと短時間で済みます。『次の状況で、商標について専門家に相談するときに聞くべき質問を、優先度順に5つ以内で作ってください。専門用語には短い説明を付けてください。===(自分の店の商売の中身、候補の店名、J-PlatPatで見つかった似た登録のメモを貼る)===』 なお、AIに「この名前は登録できますか」と判断そのものを聞くのは避けてください。登録できるかどうかの判断は制度上の審査事項で、AIの回答は根拠になりません。

AIに手伝ってもらうのは、表記の揺れを出す・聞くことを整理する、といった下ごしらえの部分だけにしてください。「似ているかどうか」「登録できるかどうか」の判断は、AIの得意分野ではありません。また、検索して出てきた他店の情報を、SNSやブログに「この店とかぶっている」といった形で書くのは避けてください。相手のある話なので、メモは自分の手元に留めておくのが安全です。

数字でイメージ

たとえば「まるはち」という名前で総菜店を始めるとします。ひらがなで検索すると何も出てこなかったので安心していたら、カタカナの「マルハチ」で食品向けの登録があった、というのはよくある見落としです。逆に、同じ「マルハチ」でも、見つかった登録が建設資材向けのものだった場合は、商売の中身が離れているため扱いが変わることがあります。つまり「名前が出てきた=アウト」でも「出てこなかった=セーフ」でもありません。表記を変えて何通りも引き、出てきたものは商売の中身まで見る。この2つをやっておくだけで、専門家に相談したときの話が一気に早くなります。

ありがちな失敗・注意点

  • ひらがな・漢字など、1通りの書き方だけで検索して終える。読みが同じで字が違うものは拾えないので、表記の揺れとあわせて読み方でも探す。
  • 会社名や店名が他社と重なっていないかを、検索エンジンで調べただけで済ませる。検索エンジンに出てこなくても登録されている場合があるため、特許庁の公式サイトで確認する。
  • 「長く使っているから大丈夫」と考える。原則は先に出願した人が登録を受けられる仕組みなので、使ってきた年数がそのまま権利になるわけではない。
  • 名前が似ているかどうかだけで判断する。何を売る店かによって扱いが変わる場面があるため、名前と商売の中身を必ずセットで見る。
  • 看板・のれん・パッケージまで作ってから調べる。作り直しになると費用が大きいので、下調べは発注の前に済ませる。
  • AIの回答をもって「登録できる」と判断する。登録の可否は審査で決まるもので、AIの回答は根拠にならない。下調べと質問の整理までに留める。
  • 調べた結果を記録に残さない。あとで相談するときも、数年後に見直すときも、いつ・どの表記で調べて何が出たかのメモが効く。

もう一歩:さらに深掘りするAIプロンプト

慣れてきたら、次のように聞くと一歩踏み込めます。

下調べが終わったら、そのまま次を送ってください。『ここまでの調べた内容をもとに、今後、新しい商品名やサービス名を考えるたびに使える「名前を決める前のチェックリスト」を作ってください。7項目以内、1項目1文で、調べる順番が分かるように並べてください。最後に、自分では判断せず専門家に相談する目安を1行で付けてください。』 次に名前を考えるときの手順書になります。

まとめ

店名やロゴの不安は、頭の中で心配し続けても小さくなりません。特許庁の無料の検索サイトで実際に引いてみると、30分で「まっ白」か「相談したほうがよい」かのどちらかに分かれます。今日はまず、候補の名前の書き方を何通りか書き出すところから始めてみてください。調べ方の段取りに迷ったときは、初回無料相談でお気軽にどうぞ。

よくある質問

商標の登録をしていない店名は、使ってはいけないのですか。

登録していない名前を使うこと自体が直ちに禁じられているわけではありません。ただし、他人が登録している名前と紛らわしい形で使うと問題になる場合があり、また登録がなくても、その地域でよく知られた他店の表示と混同されるような使い方は別の観点から問題になることがあります。ご自身の状況が当てはまるかどうかは、専門家に確認してください。

同じ名前のお店が他県にありました。これはだめということですか。

同じ名前が存在することと、使えないことはイコールではありません。何を売る店かによって扱いが変わる場合がありますし、相手が登録しているのかどうかでも話が変わります。まずは特許庁の公式サイトで、その名前に登録があるか、あるとしたらどんな商品・サービス向けかを確認してください。そのうえで判断が必要になる部分は、弁理士などの専門家にご相談ください。

ロゴも名前と一緒に調べたほうがいいですか。

名前とロゴは別々に扱われる場面があるため、両方を意識しておくほうが安心です。文字を図案化したロゴの場合、まずはその文字の部分について調べるところから始めるのが現実的です。図形そのものの調べ方は難しさが上がるので、看板やパッケージに大きく使う予定があるなら、その部分だけでも専門家に見てもらうことをおすすめします。

下調べだけして、登録の手続きはしなくても大丈夫でしょうか。

登録するかどうかは、その名前をどれくらい長く・広く使う予定かによって判断が変わります。1店舗で数年という前提と、店舗を増やしたり商品を全国に売ったりする前提では、考え方が違ってきます。費用や手続きの流れも含めて、無料の相談窓口や弁理士に一度確認したうえで決めるのが確実です。

※ この記事は考え方の目安をやさしくお伝えするものです。税金・経費・契約・補助金などの具体的な判断や最新の情報は、税理士などの専門家や公的な窓口でご確認ください。AIの計算結果も、最後はご自身の数字でお確かめください。

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