Blog | 2026年11月3日
「AI失業」への緊急提言を、川崎の小さな会社の目で読む|人間に残る4つの仕事と、今から準備できること
「AIに仕事を奪われる」は、もう遠い未来の話ではなくなりました。2026年10月、AI失業への備えを求める提言が官房長官に出されています。提言の中身と「人間に残る4つの仕事」を整理し、川崎の小さな会社やお店、ご家庭が今から準備できることをお話しします。
「AIに仕事を奪われる」という話は、何年も前からありました。ただ、これまでは少し遠い未来の話として聞かれてきたと思います。2026年10月、その話が政策の場に上がりました。チームみらいの安野貴博氏が、AIの普及による仕事の変化と「AI失業」への備えを求める提言を、木原稔官房長官に提出したのです(ITmedia AI+/2026年10月26日)。
この記事では、提言の中身と、安野氏が動画で語った「人間に残る仕事」の考え方を紹介します。そのうえで、川崎の小さな会社やお店、ご家庭にとって何を意味するのかを、AI活用を伴走している立場から考えます。不安をあおるつもりはありません。ただ、早めに準備した人ほど楽になる話だと考えています。
提言には何が書かれているか
提言の正式な名前は「AIの社会実装と仕事・雇用の変化への備えに向けた提言―『AI産業革命』の恩恵を享受し『AI失業』のショックに備える―」です。全文はチームみらいの特設ページで公開されています。柱は次の2つです。
| 柱 | 主な中身 |
|---|---|
| 1. AIの社会実装を支える規制・制度の改革 | 新しい技術が使えるように、制度や行政の手続きを先回りして整える。AIを使って、今ある規制や制度を点検し続ける |
| 2. 仕事・雇用の変化に対応する労働政策 | 仕事の変化と、人がそれに適応できているかを調べて把握する。学び直しや仕事探しを支える。AI時代に合った生活保障と労働者保護を考える |
提言では、米国の動きにも触れています。スタンフォード大学の調査では、生成AIの影響を受けやすい職種で若い人の雇用が減り、ソフトウェア開発の仕事では約20%減ったと報告されています。
日本では「新卒採用」から変わる、という見立て
日本は今、ほぼすべての業界で人手が足りていません。労働統計を見ても、AIで仕事が減ったという数字はまだ出ていません。それでも安野氏は、文藝春秋PLUSの番組(2026年10月29日公開)で次のように話しています。
- 日本は解雇の規制が厳しい。そのため、変化は「人を辞めさせる」より先に、新卒採用を控えるという形で出てくる可能性が高い
- 26年卒にはほぼ影響がない。27年卒で一部に兆しが出て、28年卒で数字として表れることが心配される
- 仕事が効率化されて使い道が広がり、かえって需要が増える仕事もある。一方で、コールセンターのように、そのまま人が減りやすい仕事もある
これは予測で、必ずそうなるわけではありません。ただ、「統計に数字が出てから動くのでは遅い。先回りして受け身を取っておこう」という提言の考え方は、国だけでなく、一人ひとりの働き方にも当てはまります。
人間に残る仕事は、4つの方向
番組の中で特に大事だと感じたのが、「AIが賢くなっても人に残る仕事」の整理です。安野氏は次の4つを挙げています。
| 方向 | どんな仕事か | 川崎の身近な例 |
|---|---|---|
| 1. 体を使う仕事 | 現場でものを動かす、手を動かして作業する | 工務店、介護、整体院、飲食の調理 |
| 2. 資格に守られた仕事 | 法律で、資格を持つ人しかできないと決まっている | 士業、医療、薬局 |
| 3. 人がやることに価値がある仕事 | 「この人だから」頼みたい、会いに行きたい | 美容室、商店街のお店、対面の営業 |
| 4. 人とAIが組むと強い仕事 | AIだけより、人+AIのほうが良い結果になる | ほぼすべての事務・企画・接客 |
安野氏は4つ目を、上半身が人、下半身が馬の「ケンタウロス」にたとえています。人とAIが一体になって走る状態です。ここで大事なのは、自分の仕事を「AIが賢くなるほど、自分が得をする形」にしておけるかどうか、という問いです。
AIの性能が上がるたびに自分の仕事が減っていく形なのか。それとも、AIの性能が上がるたびに、自分にできることが増えていく形なのか。同じ仕事でも、AIとの組み方しだいでどちらにもなります。
川崎の小さな会社・お店にとっての意味
従業員が数人の会社や個人のお店には、新卒採用の話はあまり関係ないように見えるかもしれません。でも実際は、小さな会社ほど、ケンタウロス型に寄せたときの伸びしろが大きいと考えています。
- 「人がいないからできなかったこと」ができるようになる。見積もりの返信、お客様への連絡、SNSの発信。人手がなくて後回しにしていた仕事を、AIと組めば店主一人でも回せます。
- 対面の価値は、むしろ上がる。AIで書類や連絡を軽くできれば、空いた時間をお客様と話す時間に回せます。3つ目の「人がやることに価値がある仕事」を厚くできるのは、大企業より小さな会社やお店です。
- 人を減らすためではなく、採れない分を埋めるために使う。人手不足の今、「辞めさせる」ためではなく「募集しても来ない分をAIと組んで埋める」という使い方が現実的です。
ご家庭でも同じです。お子さんがこれから就職する世代なら、「AIに取られない仕事を選ぶ」より、「どんな仕事についてもAIと組める」ことのほうが、長く効く力になります。
今から準備できる3つのこと
- 自分の仕事を作業ごとに書き出す。1日の仕事を「メールを書く」「見積もりを作る」「お客様と話す」のように分けて書き出し、AIに任せられそうな作業と、自分が受け持つ作業に印をつけます。上の4つの方向のどれに当たるかも、横に書いておくと整理しやすくなります。
- AIに任せる作業を1つ選んで、実際の仕事で使う。AIの使い方は、本や動画で学ぶより、自分の仕事で使うほうが早く身につきます。まずは無料の枠で試し、毎日使うようになったら月数千円のプランを検討する、という順番で十分です。
- 学び直しは小さく、続く形で。いきなり資格や長い講座に申し込まなくてかまいません。週に1回30分、AIで1つの作業を片付けてみる。それを続けるほうが、変化に強くなります。
時間が空いたあと、その時間をどう使うかも先に決めておくと、効果がはっきりします。この点は「作業時間は減ったのに、利益が変わらない理由」の記事で詳しくお話ししています。AIを使い始めたのに仕事が軽くならない、という方は「3つの分かれ道」の記事も参考にしてください。
「AIの専門家」より「AIと組める人」を増やしたい
かわさき楽AIサポートは、「AIの専門家」ではなく「整理役」として、川崎の中小企業・お店・ご家庭のAI活用を伴走しています。目指しているのは、私たちがいなくても、ご自身で考えてAIを試せる状態です。これはちょうど、安野氏の言うケンタウロス型の働き方を、一人ひとりが自分の仕事でつくることだと考えています。
- 会社やお店で、社員の皆さんと一緒にAIの使い方を身につけたい方へ → AI研修・講座(法人・団体、個人とも対応)
- どの作業をAIに任せられるか、まず整理したい事業者の方へ → 業務改善コンサルティング(成果報酬型。効果がなければ費用はかかりません)
- ご自身やご家族で、暮らしや仕事の学び直しにAIを使いたい方へ → 個人・ご家庭向けサポート
よくある質問
AI失業は、日本でもう起きていますか?
2026年10月時点の労働統計では、AIによる雇用の減少ははっきりとは表れていません。日本は全体として人手不足の状態です。ただし米国では、AIの影響を受けやすい職種で若い人の雇用が減ったという調査があり、日本でも影響はまず新卒採用の抑制という形で出る、という見方が示されています。
AIに置き換わりにくい仕事は、どんな仕事ですか?
安野貴博氏は、体を動かして現場で作業する仕事、資格がないとできない仕事、人がやることに価値がある仕事(対面の接客や営業など)、人とAIが組んだほうが強い仕事、の4つを挙げています。多くの仕事は、この4つ目に寄せていけるかどうかが分かれ目になります。
小さな会社や個人は、何から準備すればいいですか?
自分の仕事を作業単位に書き出し、AIに任せられる部分と、人が受け持つ部分に分けてみることから始めます。そのうえで、AIに任せる作業を1つ選び、実際の業務で使ってみてください。AIの使い方は、本を読むより、自分の仕事で使うほうが早く身につきます。
自分の仕事のどこをAIと組めるか、一緒に書き出してみませんか
かわさき楽AIサポートは、川崎市高津区(溝の口・武蔵新城・二子新地)を中心に、中小企業・個人事業主・ご家庭のAI活用を伴走しています。まず無料の枠で試し、業務に組み込むときも月数千円のAIからご提案します。初回相談は無料です。料金は毎回事前にお伝えし、提示した額を超える請求はしません。
First Step
自分の仕事のどこをAIと組めるか、一緒に書き出してみませんか。
法人・事業者の方は 川崎市のAIコンサルティング/法人向けAI研修、ご家庭の方は 個人・ご家庭向けサポート もご覧ください。
