お悩み解決 / 小売店
同じ商品でも置く場所で売れ方が変わる|棚の並べ方を30分で決め直す3ステップ
品ぞろえは悪くないはずなのに、お客様が棚の前を素通りしていく。並べ替えたほうがいい気はするけれど、どこから手を付ければいいのか分からない——。感覚ではなく、決まった順番で並べ方を見直す手順をまとめます。
こんな状態、ありませんか?
品ぞろえには自信があるつもりです。仕入れも吟味していますし、売れ筋も分かってきました。それなのに、お客様は棚の前を素通りしていきます。雑誌で見た店のようにきれいに並べたいと思って、閉店後に何度か並べ替えてみました。でも翌週になると、なんとなく元の位置に戻っています。どこに何を置けば売れるのか、その「決め方」を教わったことがないので、結局はいつもの場所に、いつもの順で積んでしまう。並べ替えに30分かけても、それが正解だったのかどうかが分からないままです。
こう変わります
棚の並べ方を「なんとなく」ではなく、決まった順番で見直せるようになります。主役の商品が目線の高さに来て、一緒に買われる商品が隣に並び、どこを直したかが写真で残ります。作業は1つの棚あたり30分ほど、費用はかかりません。1週間後にレジの数字で確かめれば、次の棚をどう直すかの判断材料にもなります。
やり方(スマートフォンのカメラ + 無料AI(ChatGPT / Gemini / Claude。写真をそのまま送れます))
- まず、直す棚を1つだけ決めて、写真を撮ります。店全体を一度に直そうとすると必ず途中で力尽きるので、「レジ前の棚」「入口から3歩目の棚」のように1本だけ選んでください。選ぶ基準は、お客様がいちばん長く立ち止まる場所か、逆に素通りされている場所です。撮り方にコツがあります。①棚の正面から全体を1枚、②自分がお客様と同じ距離(1メートルほど)に立って目の高さから1枚、③しゃがんで子どもの目の高さから1枚。この3枚でだいたいの問題が見えます。撮ったら、その棚に置いている商品を紙に書き出してください。商品名と、だいたいの売れ行き(よく売れる・ふつう・あまり動かない)の2列だけで十分です。どれが主役かがはっきりしない場合は、先に売れ筋と死に筋の仕分けをしておくと、この後の判断が速くなります。なお、写真にお客様やスタッフの顔が写り込んでいたら、その写真は使わずに撮り直してください。
- 次に、その写真と書き出した一覧を無料AIに渡して、並べ替えの案を出させます。写真はスマホからそのまま送れます。指示はこう書いてください。『これは私の小さな店の棚の写真です。あわせて、この棚に置いている商品と売れ行きの一覧を貼ります。次の3つの観点で、並べ替えの案を出してください。①目線の高さ(大人が立ったときに見やすい高さ)に、どの商品を置くべきか。②手に取りやすい位置と、取りにくい位置に、それぞれどの商品を置くべきか。③一緒に使う商品・一緒に買われやすい商品の組み合わせがあれば、隣に並べる案。それぞれ「どの商品をどこへ動かすか」と「その理由」を1行ずつで書いてください。最後に、この棚で最初に直すべき1か所を、理由つきで1つだけ選んでください。===(ここに商品名と売れ行きの一覧を貼る)===』 出てきた案をすべてやる必要はありません。最後の「最初に直すべき1か所」だけを、まずやってみてください。ここで手を広げると、何が効いたのか分からなくなります。
- 最後に、直した棚を1週間そのままにして、数字で確かめます。直した直後にもう一度写真を撮り、前の写真と並べて保存してください。日付を入れたフォルダに入れておくと、あとで見返せます。1週間たったら、レジの売上一覧で、その棚に置いた商品の売れた個数を前の週と見比べます。POSがなければ、補充した回数を数えるだけでも構いません。増えていれば、同じ考え方を隣の棚に広げます。変わらなければ、AIにもう一度相談します。『この棚を〇〇のように直して1週間たちましたが、対象商品の売れた数はほとんど変わりませんでした。考えられる理由を5つ挙げ、そのうち私が今週すぐ試せるものを2つに絞ってください。あわせて、次に見るべき数字を1つ教えてください。』 このやり取りを1つの棚で2〜3回くり返すと、自分の店のお客様が何を見ているかの感覚がつかめてきます。そこまで来れば、残りの棚は自分で判断できるようになります。
並べ替えは、営業時間中に少しずつやるより、閉店後に1つの棚を一気に仕上げるほうがうまくいきます。途中で接客が入ると中途半端な状態で終わり、翌日には元に戻ってしまうためです。また、棚の写真をAIに送るときは、お客様やスタッフが写り込んでいないか、手書きの連絡メモや個人名の付いた取り置き商品が写っていないかを必ず確認してください。写っていれば撮り直すのがいちばん早い対処です。
数字でイメージ
たとえば、日用品と雑貨を扱う小さな店で、入口から3歩目の棚を選んで試したとします。写真を3枚撮ってみると、いちばん売れている商品が棚のいちばん下の段に積まれていて、大人が立ったままでは商品名が読めない状態でした。逆に、あまり動かない箱物が目線の高さを幅広く占めていました。AIの案は「主役をひとつ上の段へ、あまり動かないものは下の段へ、関連する消耗品を主役の右隣へ」という3つでしたが、この店ではまず1つ目だけを実行しました。1週間後、その商品の売れた個数は前の週より増えていたそうです。ここで店主が気づいたのは、商品そのものではなく「読めなかった」ことが原因だったという点でした。次の週は同じ考え方で隣の棚の高さを見直し、そのあとで関連陳列に進んでいます。1か所ずつ変えたので、何が効いたのかが分かる進め方になっています。
ありがちな失敗・注意点
- 店全体を一度に並べ替える。途中で接客が入って中断し、中途半端なまま元に戻る。直す棚は1回につき1つだけにする。
- 「きれいに見えるか」で判断する。見た目がそろっていても、目線の高さと手の届く範囲が合っていなければ売れ方は変わらない。基準は見やすさ・取りやすさ・気づきやすさの3つ。
- 主役の商品を決めずに並べ替える。何を目立たせたいかが決まっていないと、ただの模様替えで終わる。先に売れ筋を仕分けておく。
- AIが出した案をすべて一度に実行する。何が効いたのか分からなくなるので、まず1か所だけ変える。
- 直す前の写真を撮り忘れる。比べる相手がないと、変えたことの良し悪しが判断できない。撮影は作業の最初にやる。
- 1日で結果を判断する。曜日や天気で客数は動くので、最低でも1週間は同じ状態で置いて見比べる。
- 棚の写真にお客様やスタッフ、取り置きの名札が写ったままAIに送る。送る前に写り込みを確認し、写っていれば撮り直す。
もう一歩:さらに深掘りするAIプロンプト
慣れてきたら、次のように聞くと一歩踏み込めます。
1つの棚で手応えがつかめたら、そのまま次を送ってください。『ここまでのやり取りをもとに、私が他の棚でも同じ見直しを30分でできるようにするチェックリストを作ってください。7項目以内、1項目1文で、作業する順番どおりに並べてください。最後に、直したあと1週間後に確認する数字を1つだけ指定してください。』 これで、棚ごとに考え直さずに同じ手順をくり返せます。
まとめ
並べ方が決まらないのは、センスがないからではなく、決める順番を教わっていないからです。1つの棚を選んで写真を撮り、目線の高さと手に取る順番を確かめる。それだけで、次にどこを直すかが見えてきます。今日はまず、いちばん素通りされている棚を1枚撮るところから始めてみてください。撮った写真の見方や、AIへの頼み方に迷ったときは、初回無料相談でお気軽にどうぞ。
よくある質問
棚が小さく、そもそも置ける場所が限られています。それでも効果はありますか。
小さい棚のほうが、むしろ変化は分かりやすいです。置ける数が限られているぶん、目線の高さに何を置くかの一手が効きます。まずは、その棚でいちばん売りたい商品を1つ決めて、それが立ったまま商品名を読める高さにあるかどうかだけを確認してみてください。そこが合っていないことは、実際によくあります。
写真をAIに送るのは不安です。送らずにできますか。
できます。写真の代わりに、棚の状態を文章で書いて渡してください。「3段の棚で、上から順に〇〇・〇〇・〇〇を置いている。いちばん売れているのは〇〇」という程度で十分です。AIに渡すのは商品名と配置だけにして、店名や住所は書かないようにしてください。文章だけでも、高さと順番についての案は同じように出てきます。
並べ替えたら、常連さんが「いつものが見つからない」と困りませんか。
その心配は現実的で、実際に起こります。対策は2つあります。1つは、一度に変える範囲を小さくすること。1つの棚だけなら、お客様も数日で慣れます。もう1つは、よく買われる定番商品の場所は動かさず、その周りの並びから変えることです。常連の方に「ここ、少し変えてみたんです」と一言添えるだけでも、印象はずいぶん変わります。
1週間試しても数字が変わりませんでした。やめたほうがいいですか。
変わらなかったこと自体が、1つの情報です。その棚の並び方は売れ方の原因ではなかった、という切り分けができたことになります。次は、同じ棚で別の1か所(高さではなく隣り合わせの組み合わせなど)を変えてみるか、棚ではなく値づけや品ぞろえのほうを見直すか、に進んでください。原因を1つずつ消していく進め方が、結局はいちばん早道です。
あわせて読みたい
- 「黒字なのに通帳が減る」小売店の“お金が足りない月”を先に見つける方法
- 「仕入れすぎて余る・切らして謝る」を減らす|いつ発注すればいいかをAIで決める方法
- 「セールで売っても損してない?」小売店の“値引きしていいライン”を5分で出す方法
- 商品の値段、勘で決めてない?3分で根拠ある価格にする方法
- 「最近お客さんが減った気がする…」景気のせいにする前に、店でできる3つの手
- 「経営を良くしたい。でも何から?」もやもやを全部書き出して“効く順”に並べる方法
- 円安で輸入の仕入れが高い…値上げの前に“商品ごとの4つの選択肢”を洗い出す方法
- 求人を出しても応募が来ない…|条件を変えずに「働く姿が浮かぶ求人票」に書き直す方法
- 「なんでそこまで気が回らないの」が減る|店の方針を“判断の目安”に翻訳して共有する方法
- エクセルの月次集計に毎月3時間。もうやめたい小売店の店主へ
- 「何にこんな時間使ってるんだろう」小さなお店へ|1週間メモするだけで削れる仕事が見つかる方法
- 「あれどこ置いたっけ」が多いお店へ|置き場を決めるだけで探す時間を減らす手順
- ネットショップの表記、これで大丈夫?|「書き足りない」と「盛りすぎ」を半日で点検する手順
- その店名、もう誰かが使ってる?|名前とロゴを30分で下調べする3ステップ
- 力を入れる商品が決まらない|売れ筋と死に筋を30分で仕分ける3ステップ
実際の事例
同じ業種で、無料ツールを使って実際に成果を出した事例があります。あわせてご覧ください。
高津区の雑貨店オーナーがハンズオン研修でChatGPTを習得しSNS発信を改善 →
関連リンク
無料プレゼント
AI活用事例集(38事例・全42ページ)を無料で
この記事のような「いまの困りごと」を無料・低コストのAIで解決した事例を、手順つきで1冊にまとめました。まず読むだけでOKです。
First Step
「自分でもやってみたいけど、最初だけ教えてほしい」という方へ。
川崎の中小企業・お店・ご家庭を、無料ツール中心でいっしょに整理します。オンライン相談OK・初回相談は無料。無理な売り込みはしません。
