お悩み解決 / 飲食店

シフト作りに毎月半日。飲食店の「組んでは直す」を30分で終える3ステップ

月末が近づくと憂うつになる、あの作業。希望を集めて、表に落として、重なりを直して、また希望が変わって組み直し——。時間がかかるのは段取りが悪いからではなく、決める順番が逆になっているからかもしれません。

こんな状態、ありませんか?

月末が近づくと、またあの作業が来ます。LINEで届く希望、口頭で言われた予定、休憩中に渡されたメモ。集まる形がバラバラなので、まず自分のノートに書き写すところから始まります。そこからカレンダーの形に並べ替えて、人が足りない時間を探して、誰かに追加をお願いして、返事を待って、また直す。気がつくと半日が消えています。しかも貼り出した翌日に「すみません、その日ダメになりました」と言われて、また同じことのくり返し。ピークの時間に人が薄いのに、暇な時間に3人立っている日もあって、これで合っているのかどうかも分かりません。

こう変わります

時間帯ごとの必要人数が1枚の表になっていて、そこに今月の希望を当てはめるだけになります。希望はいつも同じ形で集まるので、書き写す作業がなくなります。たたき台は数分で出てくるので、あなたがやるのは「ここは1人足したい」と最後に整えるところだけ。作業は30分ほど、費用はかかりません。急な変更が入っても、必要人数の表があるので「この時間は最低2人」とすぐ判断でき、代わりを探す基準がはっきりします。

やり方(無料AI(ChatGPT / Gemini / Claude)+ お使いのLINEやメモアプリ)

  1. まず、シフトを組む前に「時間帯ごとに何人必要か」を1枚だけ作ります。ここを飛ばすと、毎月ゼロから悩むことになります。作り方は簡単で、直近1か月のレジの記録から、曜日ごと・2時間きざみの客数(または売上)を書き出します。POSがなければ、伝票の枚数を数えるだけでも構いません。「平日11-13時=40人、13-15時=8人、17-19時=15人、19-21時=35人、土日は…」という程度の粗さで十分です。書き出したら、無料AIにこう頼みます。『小さな飲食店を営んでいます。曜日・時間帯ごとの客数をこの後に貼ります。席数は〇席、キッチン〇名・ホール〇名が通常の体制です。この客数をもとに、時間帯ごとの必要人数の目安表を作ってください。①キッチンとホールを分けて、②2時間きざみで、③「最低これだけは必要」と「できればこの人数」の2段階で書いてください。最後に、客数が少ないのに人を置きすぎている時間帯があれば指摘してください。===(ここに客数を貼る)===』 出てきた表は、そのまま使わずに自分の感覚と突き合わせてください。「この時間は数字より忙しい」という感覚のほうが正しいことは普通にあります。直したものを紙に印刷して、事務所に貼っておきます。これが土台になります。
  2. 次に、希望の集め方を1つの形にそろえます。半日かかる原因の半分は、バラバラの形で届いた希望を書き写す作業です。やることは、毎月同じ文面を送るだけです。『来月のシフト希望です。次の形で、〇日までに返信してください。①出られない日:(日付だけ、例 3・10・17)②出たい時間帯:(例 平日の夕方、土日の昼)③月に入りたいおおよその回数:(例 週3回くらい)』 この3行だけに絞るのがコツで、項目を増やすと返信率が落ちます。届いた返信は、そのままコピーして1つのメモにためていきます。ここで「番号に置き換える」ひと手間を入れてください。スタッフの名前ではなく「Aさん・Bさん」または「スタッフ1・スタッフ2」に直してメモします。誰がどの番号かのメモは手元だけに残します。後でAIに渡すときに、名前をそのまま出さずに済みます。返事が来ない人には、締切の前日に同じ文面をもう一度送るだけにします。個別に文面を考えると、そこでまた時間が溶けます。
  3. 最後に、たたき台をAIに作らせて、あなたは整えるところだけをやります。1つ目で作った必要人数の表と、2つ目で集めた希望を並べて、こう頼みます。『来月のシフトのたたき台を作ってください。<必要人数>(ここに1つ目の表を貼る)<スタッフの希望>(ここに番号に置き換えた希望を貼る)条件は次のとおりです。①必要人数の「最低」は必ず満たすこと。②同じ人が3日以上連続にならないこと。③入りたい回数の希望から大きく外れないこと。④土日に特定の人だけが偏らないこと。出力は、日付ごとに「時間帯/キッチン担当/ホール担当」の表にしてください。表の下に、人が足りていない日時と、その理由を箇条書きで書いてください。最後に、私が誰に追加をお願いすべきかを、希望の余裕がある順に3人まで挙げてください。』 ここで大事なのは、出てきた表を信じきらないことです。AIは相性や体力差、その人の得意な持ち場までは知りません。見るべきなのは表の下の「足りていない日時」と「誰に頼むべきか」のほうで、ここが半日を30分に変える中身です。足りない穴だけを埋めれば、シフトは完成します。翌月からは、1つ目の必要人数表と2つ目の文面をそのまま使い回せるので、この3つ目だけをやることになります。

AIに渡すときは、スタッフの本名・連絡先・住所を入れないでください。「Aさん」「スタッフ1」と番号や記号に置き換え、対応表は自分の手元のメモにだけ残します。年齢や学校名、家庭の事情なども渡す必要はありません。必要なのは「入れる日・入れる時間・入れる回数」の3つだけです。また、出来上がったシフトを貼り出す前に、必ず自分の目で通してください。AIのたたき台は人の相性や体調を知らないので、最後の1回の確認だけは人がやる仕事として残ります。

数字でイメージ

たとえば、20席ほどの定食屋で、アルバイト6名を回している店を考えてみます。これまでは、LINEと口頭とメモで届く希望をノートに書き写し、カレンダーに鉛筆で入れては消し、を半日くり返していました。時間帯ごとの必要人数を出してみたところ、平日の13時から15時にホール2名が入っている日が多く、その時間の客数は1桁でした。逆に、19時台はいちばん忙しいのにホール1名の日が週に2回ありました。必要人数の表を作って貼ったあと、希望の集め方を3行の文面に統一したところ、書き写す作業がなくなりました。3か月目には、たたき台を出して足りない穴を埋めるだけになり、作業は30分ほどで終わるようになったそうです。この店の店主が言っていたのは「シフトが早く終わったこと以上に、なぜこの日は2人なのかを説明できるようになったのが大きかった」という点でした。理由を言える表になると、お願いもしやすくなります。

ありがちな失敗・注意点

  • 必要人数を決めずに希望から組み始める。集まった希望の形がそのまま配置になり、忙しい時間に薄く暇な時間に厚い表ができる。順番は必要人数が先。
  • 希望の集め方を毎月変える。フォーマットが違うと書き写す作業が復活する。同じ3行の文面を送り続ける。
  • 希望の項目を増やしすぎる。細かく聞くほど返信が遅れ、締切前の催促に時間を取られる。聞くのは出られない日・出たい時間帯・入りたい回数の3つだけ。
  • スタッフの本名や個人的な事情をAIに貼り付ける。番号に置き換えれば同じ結果が得られる。対応表は手元だけに残す。
  • AIが出した表をそのまま貼り出す。相性・体力差・得意な持ち場は判断材料に入っていない。最後の確認は人がやる。
  • 完璧な1枚を作ろうとして時間をかける。埋まらない穴は必ず残るので、穴を早く見つけて頼みに行くほうが早く終わる。
  • 急な欠勤のたびに全部を組み直す。必要人数の表があれば「この時間の最低は2人」と分かるので、その穴だけを埋めればよい。

もう一歩:さらに深掘りするAIプロンプト

慣れてきたら、次のように聞くと一歩踏み込めます。

ひと月分の手応えがつかめたら、そのまま続けて送ってください。『ここまでのやり取りをもとに、私が来月以降も同じ手順で30分でシフトを組めるように、作業の順番どおりのチェックリストを作ってください。7項目以内、1項目1文でお願いします。あわせて、スタッフに毎月送る希望の募集文をそのままコピーできる形で1つ書いてください。』 これで、翌月からは考え直さずに同じ流れをくり返せます。

まとめ

シフト作りに半日かかるのは、毎月ゼロから「何人いればいいか」を考え直しているからです。その答えを1枚の表にして貼ってしまえば、あとは当てはめるだけの作業になります。今日はまず、直近1か月の客数を曜日と時間帯で書き出すところから始めてみてください。表の作り方やAIへの頼み方に迷ったときは、初回無料相談でお気軽にどうぞ。

よくある質問

レジの記録が細かく残っていません。必要人数の表は作れますか。

作れます。1週間だけ、開店から閉店まで2時間ごとに来店組数を「正」の字で数えてみてください。紙1枚で足ります。曜日ごとの傾向をつかむには本来1か月ほしいところですが、まずは平日1日・土日1日の2日分でも、山と谷の形は見えてきます。その粗い数字でも、いま人を置きすぎている時間帯はたいてい見つかります。

希望をLINEで集めていますが、返事をくれない人がいます。

催促の手間を減らすには、締切を「月末」ではなく「20日」のように早めに置いて、返事がない人の分は先に仮で埋めてしまうやり方があります。仮で埋めた表を見せたうえで「この形で入れておきました。都合が悪ければ〇日までに教えてください」と伝えると、返信が来やすくなります。全員の返事をそろえてから組もうとすると、いつまでも始められません。

シフト管理のアプリを入れたほうが早いのでは。

人数が増えてくれば選択肢に入ります。ただ、アプリを入れても「時間帯ごとに何人必要か」は自分で決める必要があり、そこが決まっていないと同じ悩みが続きます。まずは無料でできる手順で必要人数の表を作り、それでも回らなくなったらアプリを検討する、という順番をおすすめします。導入する場合も、月数百円から数千円の範囲で始められるものから試すのが安全です。

人手そのものが足りていません。組み方の問題ではない気がします。

その可能性はあります。ただ、必要人数の表を作ると「本当に足りないのはどの曜日のどの時間帯か」が具体的になります。「全体的に人が足りない」と「金曜の19時から21時だけ1人足りない」では、募集のかけ方も、既存スタッフへの頼み方もまったく変わります。求人を出す前に、この表を1枚作っておくと、募集の文面が書きやすくなります。

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